BLUE GIANT SUPREME(ブルージャイアント シュプリーム)1巻レビュー 世界を回す方法

衝撃的で感動的な結末で終わったBLUE GIANTの10巻。

悲しい出来事もあったけれど、一番の救いはなんといってもBLUE GIANTに続編が用意されているということだろう。

というわけで、BLUE GIANTの1~10巻のレビューに続き、続編のSUPREMEもレビューしていきたい。

前作の最終巻のレビューはコチラ↓

BLUE GIANT(ブルージャイアント)10巻レビュー 残酷な物語の中に示されるかすかな希望
最終巻のレビュー。 僕がこの『BLUE GIANT』のレビューをブログで書き始めたのは2巻くらいまでを読んだ頃だった。 そこまで読んだだけで「この漫画を読んだ感想を記録に残しておきたい」と思い、レビューを始めた。 ...

『BLUE GIANT SUPREME』1巻レビュー(ネタバレ含む)

主人公の宮本大(だい)が上京以来、全てを捧げてきたジャズバンド『ジャス』は10巻の最後で解散した。

その後、大は日本を離れて外国へと行き、世界一のサックスプレーヤーになることを誓う。

『BLUE GIANT SUPREME』の1巻は大が海外に着いたところから話が始まる。

彼が選んだのはドイツのミュンヘンだった。

大は初めての異国の地で孤独を味わう。

ドイツ語はおろか、英語もままならないし、友人もいない(そのせいか、この巻では大のモノローグがとても多く登場する)。

そんな中、彼は宿を探し、上京した時と同じように練習場所や自分のプレイを披露できる店を探す。

でも、最初はうまくいかない。

自分の心を動かすような音楽にも出会えないし、バーで演奏をさせてほしいと頼んでも、門前払いばかりだ。

そんな時、大はある店でドイツ人の大学生・クリス・ヴェーバーに出会う。

その出会いがきっかけで、大は彼の家に「ビールを奢る」という条件で居候し、初めて演奏できる店を見つけ、その店にクリスの友人達に集まってもらい、異国の地での最初のライブを大成功に収める。

クリス・ヴェーバーに偶然出会ったことで、大のドイツでの生活は急に動き始める。

世界の回し方

この巻での物語の展開は、漫画的なご都合主義に思えなくもない。

クリスがあまりにも大に親切で、彼のおかげで物語が順調に進みすぎていくからだ。

大もクリスに疑問をもち、質問をする。

「どうしてクリスは、オレにそんなに優しい?オレのサックスの緒とも聴いてないのに…どうしてそんなに優しく、オレを助けようとしてくれるの?」

そんな大の疑問にクリスは答える。

「普通だよ」と。

「優しくもないし、助けようとも思っていない。普通のこと、それだけ。きっとみんな同じことを思うよ。いつか世界一になる奴と、知り合えたらステキだなって」

そして、クリスは大に無償で部屋を貸し、ミュンヘン中のバーを歩いて彼が演奏できる場所を探し、場所が決まれば、ライブが成功するように必死に友人を集めるのだ。

 

またBLUE GIANTの特徴の1つである巻末の主要人物の回想(その巻で大と深い関わりのあった登場人物が、大が有名なジャズプレイヤーになった未来に当時の大との出会いを改装する短編)にも興味深いクリスの言葉がある。

「私が今日もジャズを聴いているのは、ジャズの入口に彼がいたからだ」

 

おおげさじゃなく、僕はこの巻には『世界の回し方』が表現されているように思う。

世界の回し方…。

それは2つある。

まず1つ目は「世界を回したい」と相手にストレートに宣言することだ。

この漫画の中では、それを主人公の大が行っている。

初対面で大はサックスを抱きかかえながら、クリスに笑顔で伝える。

「We came Germany Become world No.1 player(僕らはドイツに世界一のプレーヤーになりに来た」

これほど単純明快でわかりやすい自己紹介はあるだろうか。

大は世界一のプレーヤーになる、つまり世界を回すことをクリスに伝えたのだ。

その言葉にクリスは動く。

そして、クリスも世界を回す。

それが2つ目の方法。

世界を回す、つまり人を動かしていくには、とにかくgive&give&give、与えて与えて与えまくることなのだ。

見返りを求めず、与えることで人は動くし、人が動けば世界は動く。

そして、世界が動けば、いずれ自分はそれが自分に返ってくる。

大の言葉はクリスを動かし、クリスが無償で大に与えて与えて与えて与えまくったことで、大も動いた。

そして、最後にそれはクリスにジャズという素敵な音楽との出会いをもたらした。

つまり、世界が回ったのだ。

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