BLUE GIANT(ブルージャイアント)5巻レビュー ダメな仲間がいて初めて物語は盛り上がる

全10巻の『BLUE GIANT』。

今日レビューする5巻は前半戦最後!

4巻のレビューはコチラ↓

BLUE GIANT(ブルージャイアント)4巻レビュー 変化する戦いの舞台
さあ、今回も『BLUE GIANT』のレビュー。 今日は4巻。 3巻のレビューはコチラ↓ 『BLUE GIANT』4巻レビュー(ネタバレ含む) 3巻は、上京を決意した大がバンド演奏に再挑戦するところで終わった

『BLUE GIANT』5巻レビュー(ネタバレ含む)

この巻を読みながら僕は現在間違いなく日本で最も売れている漫画『ONE PIECE』のことを考えていた。

『ONE PIECE』の話になるとよくテーマに上がるのが、「どのキャラが好き?」というものだ。

主人公ルフィは大海原に冒険に出て以来、多くの仲間を作ってきた。その中には強敵を打ち破る強さを持ったキャラもいれば、大した戦闘力を持っていなキャラもいる。

当然人気不人気も大きく分かれる。

そのキャラクターの存在だけとってみれば、たしかに不要と言われても仕方ないようにも思うが、物語全体での役割を考えてみると、不要なキャラなど1人もいない。

弱い仲間はその弱さ自体が物語の演出になることもあるし、主人公や他のキャラの強さを引き立てる場合もある。また、ダメなキャラが他のキャラの成長のきっかけとなることもある。

そんなことをこの5巻を読みながら考えた。

まさかアイツが仲間になるとは思わなかった

5巻はテナーサックスの大とピアノの沢辺雪祈がバンドを組むところスタートする。

大の実力を見極めるために彼のサックスを審査する雪祈。

演奏が終わった後、結論は出さずに大を一旦返し、大の才能と3年間という短期間での努力を想像し、涙する場面は印象的だ。

2人は一緒に練習を始めるが、雪祈は大の奔放な演奏をコントロールするためにドラマーを仲間に加える必要性を感じ始める。

そして、大の高校の同級生で同居人の玉田がドラマーとして仲間になる。

玉田は大学でサッカーサークルに入っていたが、ジャズに没頭する大に憧れのようなものを抱きつつ、自分の大学生活には不毛さを感じていた。けれど、ドラムは全くの未経験、ど素人だった。

玉田は没頭できるものを見つけ、早速部屋にエレドラを買ったり、音楽教室に通ったりと努力を続ける。

大は玉田の「音楽をやりたい」という気持ちを歓迎するが、雪祈は初心者の玉田を拒絶する。

自分の大学のサークルの知人(上野)を練習に連れてきて、なんとか玉田にドラムを辞めさせようとする雪祈。しかし、上野は自分と大や雪祈とのあまりのレベルの違いに怖気付き、その場を去ってしまう。

残された玉田はドラムセットに座り、大や雪祈と演奏を始める。

その演奏の中で雪祈は、演奏のギヤチェンジについてこず、あくまでも玉田に合わせながら演奏しようとする大の姿に気づく。

『弱者』である玉田に合わせて演奏することで、雪祈がバンド結成以来頭を抱えていた「枠から飛び出す」大の演奏がコントロールできていたのだ。

最後に雪祈は1人音楽教室を営む母に電話をし、(玉田のために)ドラムの指導の仕方を尋ねる。

魅力を増した大と新たな一面を見せた雪祈

玉田という初心者をバンドに迎えたことで、大のジャズを開いたものにしよう(ジャズを楽しもう)という姿勢や性格が魅力的に描かれていた巻だった。

また、雪祈は登場時点では徹底的な合理主義者として描かれていた。

実力はあるが、性格はあまり良くない(どちらかというと鼻につくところが多い)キャラだった。

自分が一流プレーヤーになるために効率にこだわり、仲間でも踏み台にしていく。

そんな彼が、最後は初心者の玉田を育てようという行動に出る。もちろんそこには、手を焼いていた大のコントロールの手段という側面もあったが、他人に手を差し伸べる場面を描くことで雪祈というキャラの深みが増したのは間違い無いだろう。

3ピースバンドが結成され、物語はいよいよ後半戦に突入する。

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BLUE GIANT(ブルージャイアント)6巻レビュー 『チーム』が動き出す!
さあ、いよいよ後半戦。 今回は6巻のレビュー。 5巻のレビューはコチラ↓ 『BLUE GIANT』6巻レビュー(ネタバレ含む) 5巻ではテナーサックスの大、ピアノの雪祈、ドラムの玉田という3人構成のバンドがつ

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