【人事部長推薦の企業選び】学生に勧めたい!最初の就職先の選び方

僕は人事部長として、毎年300人ほどの就職希望者の対応をする。

面接をしたり、説明会で応募者に会ったりもするけれど、その中には当然新卒で企業選びをしている学生も含まれる。

そこで、今回は学生に勧めたい『企業の選び方』について話そうと思う。

 

中小企業省の調べによると、日本には421万社の企業があるらしい。

この途方もない企業の中から自分に合った会社を選ぶことは至難の業だ。

421万の企業の中で、いわゆる大企業と呼ばれる企業は1.2万社。

中小企業は419.8万社(全体の99.7%)だと言われている。

大企業は人気が高いし、給与や福利厚生も充実しているところが多いわけだけれど、大学を卒業してから社会人として働く40年間という長い歳月を考えると、新卒で入った会社が大企業だろうが、中小企業だろうが、はっきり言ってどうでもいいと思う。

40年間ではあまりにも多くのことが変化する。

大企業だった会社が潰れることもあれば、中小企業で入った会社が上場して大企業になっていくことだってたくさんある。

それならば、どういう基準で会社選びをすればいいのか。

まずは僕自身の体験から話したいと思う。

「ひと」で選んだ僕の就職

僕は都内のいわゆる一流と言われた私立大学を卒業したのだけれど、その後就職はしなかった。

本当は都内で働きたくて就職活動をしていたのだけれど、地元に帰ってきてほしい親と揉めてしまい、就職活動を途中で止めてしまった。

その後、母親の病気が発覚したので、一旦実家に戻って看病をしていた。

その後、今の会社にまずはアルバイトとして入り、それから正社員になり、現在は取締役や人事部長などの役職に就いている。

その間、会社は売上も社員数も2倍以上に膨れ上がった。

事業の幅も広がったし、社会的な認知度も高まった。

福利厚生や待遇面も改善されたし、以前は労務管理の「ろ」の字もなかった会社だったけれど、今では業界内でもかなり残業が少なく、有休取得率の高い会社になっている。

まだまだ中小企業という分類からは抜け出せないではいるけれど、毎年成長はしてきているし、これからも成長していくと思う。

そんな僕がアルバイトをしていた今の会社に正社員で入ろうと思ったきっかけは、単純に「一緒に働いている人が好きで、この人達と一緒に働きたい」と思ったからだ。

当時は大学を卒業してまともな仕事などしたことがなかったけれど、考えだけはいっちょ前で、「どの会社に入っても仕事なんてどうせ一緒だろう」と思っていた。

「やりたくなくても、やらなきゃいけないことなんてたくさんある」

「事務仕事みたいなめんどくさい仕事なんてどの会社にもある」

「ノルマや数値のプレッシャーなんてどの会社でも似たようなもの」

生意気にもそんなふうに考えていた。

そして、「どの会社で働いてもどうせあまり変わらないんだったら、自分が一緒に働きたいと思える人と一緒に働きたい」と思ったのだ。

そうすれば、きっと嬉しいことがあれば何倍も一緒に喜べるし、辛いことがあっても、なんとか乗り越えられるんじゃないかと考えたのだ。

当時一緒に働いていた社員達は本当に楽しい人達で、よく飲みにも行ったし、休日となればどこかに一緒に出かけたりもたくさんした。

「この人達と一緒に働きたい」と思って今の会社に就職した。

就職して13年くらい経つけれど、その考えはある意味正しかったし、ある意味では間違っていた。

それが現時点での僕の結論だ。

だから、これから就職活動をする学生達に向けて、「企業の選び方」について話したいと思う。

WEB上の企業情報は薄目を開けて見る程度に!

今は会社の評判は今やWEBでいくらでも手に入る時代だ。

HPが充実している会社も多いし、口コミサイトも増えている。

ただ、注意しなければならないのは、そこに表れている情報はほんのごく一部のものだということだ。

例えば、企業HPには良いことばかりが書かれていることが多い。

HPに登場する社員は、ほとんどが見た目の良い若手社員だ。

学生が「入社してしばらくしたら自分もこの先輩のようになれそう(なりたい)」と思えるロールモデルになりそうな社員が登場している。

一方、口コミサイトに登録されているような情報を書くのは、基本的には会社に不満がある社員だ。

中には、自分が悪いのに会社のせいにして給与が低いだの、待遇が悪いなど書かれているものもある。

酷い時にはライバル会社が相手の評判を落とすために書き込んでいるような場合もある。

WEB上で会社の情報をたくさん手に入れられるようになった時代だからこそ、注意が必要だ。

WEB上の企業情報は、目を大きく開いてじっくり見るでもなく、目を閉じて無視するでもなく、薄目を開けてなんとなく見ておくくらいのスタンスで接するのが良いだろう。

とにかく社員に会う!

では、どうすれば自分に合った企業選びができるか。

僕は徹底的に社員に会うことをオススメしたい。

徹底的に、というのは回数と人数をこなすということだ。

できれば、性別や年代、役職や部署の違った様々な社員に会うと良い。

もしかしたら「そんなに簡単にたくさんの社員と合わせてもらえるのか」という不安を持つ人もいるかもしれない。

けれど、そこは勇気を持って「合わせてほしい」と会社側に要望を出してほしい。

もし、会社側から社員に会うことを断られるようなことがあるのであれば、その会社を受けることを辞めたほうが良いだろう。

そういう場合は、十中八九学生には見せたくない何かが社内にあると思ったほうが良い。

企業側から社員に会うことを許可されたら、大体次のような観点で社内をしっかりと観察すると良いだろう。

入社2〜3年目の社員がどんな表情でどんな仕事をしているか

入社2〜3年目の社員は、比較的入社直後の自分の姿を重ねやすい人達だ。

彼らが、実際に職場でどんな表情をしてどんな仕事をしているかをよく観察してほしい。

当たり前だけれど、生気のない表情で働いているようであれば、もうその会社を受けることは辞めたほうが良い

観察するだけでなく、「この会社に入って良かったこと」「この会社に入って後悔していること」「入社後習得できたこと」「今困っていること」等を質問してみると良い。

入社4年目以降の社員が、どんな将来を思い描き、どんな仕事をしているか

次に入社4年目以降の社員の観察や、彼らへのインタビューをしてみてほしい。

言われたことを言われたとおりにやることが精一杯な社歴3年未満の社員に比べれば、4年ほど働いていれば大体会社や業務のことはよくわかってくる。

そこで、彼らにどんな将来を思い浮かべているか質問してみてほしい。

もし、彼らがはっきりと未来の自分について回答できなければ、その会社を受けるのは辞めたほうが良い

会社自体にビジョンがないか、ビジョンがあったとしてもうまく社員に伝わっていなかったり、その方向性に社員を成長させられていないということだからだ。

あとは、仕事内容に入社後から変化してきているかも確認するべきだ。

適当なタイミングで業務内容に変化を生み出せていない企業で働いている社員は、退屈を感じていることがほとんどだ。

係長や課長には最もたくさん会うべき

係長や課長職の社員というのは、入社後の自分の直接の上司になることが多い立場の人間だ。

この種の立場の人間にはなるべくたくさんの人に会うことをオススメする。

その企業がどういった人間を管理職に引き上げているか、ある程度の傾向がつかめるからだ。

また、そういった管理職という立場の人間が「尊敬できそうか」「うまくやっていけそうか」「好きとは言えないまでも嫌いではなさそうか」はしっかりと見ておくべきだ。

所詮上司と部下の関係なんてただの人間関係だ。

円滑にやっていくためには、仕事や能力云々というよりも、その人のことが好きになれるかどうかという点が大きく関係している。

その人のことが好きであれば、大抵のことは我慢できるし、逆にその人のことが嫌いであれば、たとえやりがいがある仕事を任されることがあっても不満に繋がることが多い。

自分の上司になるであろう立場の人種を好きになれそうかどうかよくよく観察しておくことはとても大切だ。

オーナー企業はとにかく社長とじっくり話をする

社長が株主兼経営者のような企業の場合は、社長ともじっくり話をしておく必要がある。

これに対しても「社長にそんなに気軽に会えるの?」という疑問が当然出てくるだろう。

でも、遠慮せずに「社長と会って話がしたい」と企業側に伝えてみてほしい。

門前払いだったら、この場合もやはりその企業を受けることは辞めた方が良い。

オーナー企業の場合、会社の99%は社長で決まる

社長がどんな人間なのか、どんな人材を必要としているのか、どんなビジョンを持っているのかは勿論聞いてほしいし、何よりも自分がその社長のことを好きになれるかをじっくり考えてみてほしい

その企業が自分自身が望む方向に成長できる場か

ここまでは「とにかく人に会う」ということを中心に話をしてきた。

仕事の中で感じるストレスもやりがいも結局は人間関係に起因することがほとんどだ。

『会社=人の集合体』なので、そこでどんな人が働いていて、その中には自分とうまくやっていけそうな人が見つかるか、尊敬できる人が見つかるかというのは、企業選びにおいてとても重要なポイントだ。

でも、もし「自分は将来的にこういうふうに成長していきたい」という明確な夢やビジョンを持っている人であれば、その企業が自分自身をその方向に成長させてくれる場かどうかを観察すると良い。

冒頭にも書いたけれど、最初の就職先にどこを選ぶかなんて実はそれほどたいした問題ではないのだ。

幸運なことに大企業に入社し、平均よりも高い待遇で良い暮らしができていたとしても、それがいつまで続くかなんて全くわからない。

逆に万が一ブラック企業に入ってしまったとしても、それが嫌ならすぐに辞めれば良い。

退職届を出してから最短で2週間で会社は辞められるし、あまりにも嫌ならその2週間という期間も有給を使って休んでしまえば良い。

あまりにも長い社会人生活の中では、スタートが上手くいったからといってそれがずっと続く保障なんてどこにもない。

反対にスタートが失敗したとしても、逃げたり、再チャレンジしたり、環境を変化させたりすることで、いくらでもリスタートはできる。

一番大切なのは、変化・成長していく社会の中で、自分も絶えず変化・成長していくことなのだ。

だから、自分が成長したい方向性が決まっている人には「その企業が自分自身が望む方向に成長できる場か」という点に注目して企業選びをしてみてほしい。

まだ、方向性が決まっていない人は、前半の方に書いた「ひと」で企業を選ぶことをオススメする。

 

あなたに合った企業への就職を徹底サポート!DYM就職

コメント