【人事部長推薦の企業選び】やりたい仕事で会社を選んではいけない3つの理由

僕は人事部長として年間大体300人程度の応募者の対応をする。

自分自身で面接をすることも多いけれど、面接の時によく聞く志望理由が「●●の仕事をしたいから入社を希望しています」というものだ。

これは本当に多い。

入社のきっかけとしては間違ってはないが、僕はこの志望理由を聞くと思わずダメ出しをしてしまう。

ダメ出しをしてしまう理由は自分自身の経験則と、この理由で入社した人がすぐに不満を持ったり、最悪の場合早期で退職してしまう姿を見てきたからだ。

やりたい仕事で会社を選ぶのがなぜダメなのか

今回はそれについて話したいと思う。

やりたい仕事ができるかどうかなんてわからない

就職すれば、必ずあるのが「配属」だ。

これは企業によっては希望を出せる場合もあれば、有無を言わさず会社都合で決められる場合もある。

専門職として中途入社するならまだしも、新卒採用の場合は配属先が決まっていないことのほうが多い。

それに入社した時に運良くやりたい仕事ができたり、やりたい仕事の担当部署に配属されたりしても、その後待っているのは「人事異動」だ。

一度はやりたいと思っていた仕事ができたとしても、その後違う部署に配属されてしまうということもよくあることだ。

実際、僕自身現在の会社に入社して13年が経つけれど、担当した仕事は目まぐるしく変化してきた。

営業職(6年)

マネージャー職(2年)

基幹システム刷新プロジェクトリーダー(2年)

マーケティング担当部署の部長兼人事部長(1年)

取締役・マーケティング担当部署の部長兼人事部長(2年)

幸いなことに、良い仲間にも恵まれているし、どの仕事も面白く、興味を持ってできているけれど、こんなにも担当する仕事は変化してきている。

やりたいと思っていた仕事が、想像していた仕事と同じとは限らない

あなたは、今やりたいと思っている仕事が実際にどんな仕事かを本当に細部までしっているだろうか。

例えば、営業職希望だと面接でこんなことをアピールする人がとても多い。

「私は人が好きなので、多くの人に出会い、価値を提供できる営業職に就きたいと思っています」

「御社の製品の価値を多くの人に知ってもらいたいです」

この2つのアピール内容は営業には必ず求められるものだ。

でも、営業をやっていると、理不尽なクレームを受けることもあるし、面倒な事務作業をしなければならないこともある。

地味な電話がけだってあるし、1日のほとんどを営業先を回るための移動に費やさなければならないことだってある。

歯が浮くようなお世辞を言わなければならない接待の席につくこともあるだろう。

マイナス面ばかり先に書いてしまったけれど、逆にその仕事をする前は想像していなかったメリットに巡り合うこともある。

要は何が言いたいかというと、実際に仕事をしてみるまでは、その仕事が本当にどんな仕事なのかを知ることなんてほとんどできないのだ。

実際、以下のようなデータもある。

【新入社員の入社後のギャップ】

  1. 仕事内容や配属について         30.0%
  2. 組織の特徴や社風について        21.3%
  3. 成長環境やキャリア開発について     19.2%
  4. ワークライフバランスや勤務時間について 11.4%
  5. 給与や待遇、福利厚生について      7.2%
  6. 人間関係について            5.5%
  7. 会社や業界の展望や景気について     5.3%

出典:VORKERS

入社後に最もギャップを感じたのは「仕事内容や配属について」だ。

つまり、やったこともない仕事をやりたいという理由でその会社への就職を希望することは、テレビで見る魅力だけを頼りにアイドルと結婚したいと思ってしまうのとほとんど一緒だと思う。

やりたい仕事がやりたい仕事であり続けることはない

何をしていてもほとんどの人が感じるのが「飽き」だ。

昨年僕の会社で、全社員を対象に入社してから今までのモチベーションを折れ線グラフ化するという試みをしたことがある。

やり方は簡単で、入社した時のモチベーションを100として、そこから思うがまま自由にモチベーションの変遷を折れ線グラフに書いてもらった。

入社時よりも高くなっている人もいれば、低くなっている人もいたけれど、興味深かったのは、2つの共通点が見つかったことだ。

誰しもモチベーションは変化する

ごくごく当たり前のことだけど、全員良くも悪くもモチベーションは変化していた。

モチベーションを一定に保ちつつ、長い間働き続けている人は1人もいなかった。

同じことを続けているとモチベーションは下がる

この折れ線グラフを書いてもらった時に、同時に行ったのが、「モチベーションが変化した時に起こったことを書いてもらう」ということだった。

そこで見つかった共通点が、「同じことを続けているとモチベーションは緩やかに下っていく」ということだった。

何人かにヒアリングしてみると、大体次のような回答が返ってきた。

「同じ仕事を続けていると飽きてしまう」

「うまくいかないまま同じ仕事を続けるのは苦痛」

「違う仕事にもチャレンジしてみたい」

「レベルアップしたい」

これは、その時にやりたい仕事ができていたかどうかに関係なく、共通して返ってきた返答だった。

要は、やりたい仕事であったとしても、それがずっとやりたい仕事であり続けるなんてことはないのだ。

人間誰しも、同じことを続けていれば、少なからず飽きる

僕自身のことを振り返ってみると、職責や仕事内容が変化してきたからこそ、今まで同じ会社で10年以上も働き続けることができたように思う。

勿論、ずっと飽きずに同じ仕事を続けている人も中にはいる。

でも、それは一見すると、やりたい仕事をずっと続けているように見えるけれど、よくよく観察してみると、絶えず変化をし続けていることが多い。

変わらないために、飽きないために、変化を繰り返しているのだ。

やりたい仕事ではなく、何で会社選びをすべきか

ここまで、やりたい仕事で会社選びをしてはいけない3つの理由を書いてきた。

最初に書いたように、やりたい仕事で会社を選ぶのは、きっかけとしては間違っていないと思う。

でも、それだけしか志望動機がない場合は、仕事は長続きしないし、何よりも自分自身が得るものが少ないように思う。

では、何で会社選びをすべきなのか。

それについては、コチラのエントリーで書いているので是非読んでもらいたい。

基本的には学生に向けて書いてはいるけれど、転職希望者にも参考になる内容になっていると思う。

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